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日本動物児童文学賞
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日本動物児童文学大賞
30万円「大切な時間」 マワル ツタ(奈良県)
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作品講評
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<受賞理由>
少年が動物病院でアルバイトをして犬を飼うことの大変さ、犬に対する優しさ、責任を学習し、成長していく過程がとても丁寧に描かれており、少年の心の変化と共に最後まで勢いよく読むことが出来る。昨今のペットショップ事情、子犬の流通問題について子供たちに考えさせる内容や、獣医師や動物看護師の動物に対する考え方、動物病院の仕事内容等、多くの子供達に伝えたい内容が紹介されており、動物愛護作品として秀作である。
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日本動物児童文学優秀賞
20万円「泣き虫だったぼく」 ゴン太(北海道)
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作品講評
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<受賞理由>
泣き虫だった少年が助けた子犬と共に生活し、健全に成長していく様子をほほえましく描いている。現実には起こり難い展開も、身近で日常的な設定と背景描写で、読み手を物語にスッと入りこませ、すんなり読める簡潔なストーリーである。また、さり気なくリードの話題や飼い主の責務を感じさせる場面や表現が挿入されている。小学生に適した秀逸な作品である。
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「ピイの飛んだ空」 七樹 七香(熊本県)
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作品講評
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<受賞理由>
救護したスズメの雛を巣立てるまで育て、自然に返す小学生を描いており、野生動物の保護と対応を冷静な筆致で伝えている。登場人物をよく書き分け、野鳥との関わり方、役所の飼育許可、バッタの足をちぎって与えなければならないことなど、生半可な気持ちでは雛を育てることは出来ないことをきちんと伝えており、最後まで一緒に雛の成長を見守る気持ちになれる。ただし、本作品中での役所の対応が、別の場面でも同様に対応されるとは限らない点や、雛を育てることを是として取られないかという点が若干懸念される。
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日本動物児童文学奨励賞
5万円「優太の夢」 西村 一江(山口県)
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作品講評
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<受賞理由>
自然保護官の母親と野生動物写真家の父を持つ兄弟が、絶滅したとされるニホンカワウソに会う夢を抱く物語である。自然との関わり方、家族の愛情が巧みに織り込まれて
おり、しっかりとした文章構成にも好感がもてる。ただし、動物の福祉・愛護に関するメッセージ性が薄かったのが残念である。
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「名前を呼んで!」 樹 葉(兵庫県)
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作品講評
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<受賞理由>
友達が飼育していたダルマインコを飼うことができなくなり預かるという出来事を通して、ペットを事情で飼えなくなった後の問題について考えさせる作品。共同住宅で飼うことの難しさ、外来種の問題など昨今のペット事情が描かれている。学校の飼育小屋で放すことを是と捉えられる等の懸念があるものの、インコを守ろうとする主人公の気持ちは伝わってくる。
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「ポニー・ノート」 村上 あつこ(東京都)
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作品講評
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<受賞理由>
人間関係が苦手だった女の子がポニーと出会うことで変わっていく様子が、動物との触れあいと人との触れあいをうまくリンクさせて描かれている。起承転結がとてもうまく、すんなりと馬についての情報も入ってくる。女の子が馬から純粋に感じた想いが鮮明に描かれていて、素直に感情移入できる作品となっている。
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「コイの観察日記」 大谷 誠(大阪府)
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作品講評
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<受賞理由>
コイの観察を題材に小学生の男の子が地域の方々と触れあい、地域の歴史や様々な事を周りの大人から学んで成長していく様子が描かれており、話の展開を面白く読ませる文章である。子供向けの内容ではあるが、大人が読んでもどこか懐かしさを感じさせる。ただし、動物福祉・愛護を扱う動物児童文学としては、募集内容との整合性の点において若干違和感が残る。また、コイが外来種であることが残念である。
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「ゾウのTシャツ」 小野 みふ(東京都)
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作品講評
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<受賞理由>
タイ旅行中に購入したゾウのTシャツから、ゾウと人間の関わり方、野生のゾウが絶滅の危機にあることを学んでいく展開が面白い。人間と共生してきたゾウを取り扱う視点も興味深い。子供達に絶滅危惧種や自然保護について考えさせる内容である。なぜゾウを守らなければならないのかの文章がもう少しあると良い。
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