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最優秀賞
20万円「ブラボーな抱擁」 山本 魁(神奈川県)
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受賞者コメント
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初めてだし、とにかく嬉しい。
ブラボー。
描いた孫や女房は、作品のことも、応募のことも全く知らない。作品集を見せたときの反応が気になる。弾むような笑顔か、もしかしてイエローカードか……。
現在、孫の父親が重病の床にあり、沈んだ時を刻む日常だ。これで明るい話題を供せられる。
図らずものことだが、当該エッセー募集の企画に、選考委員の先生方に、関係者の皆様に心から感謝したい。
ありがとう。
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総評
【選評】あさのあつこ(作家)
毎年、この賞の選考には唸ります。苦しみます。選ぶことの困難を痛感します。が、今年は一段と唸り、苦しみました。
最終候補八編、どれも完成度が高く、文章が美しく、人を捉える目の温かさと確かさがあります。読んでいて、見事な短編小説に接しているような気持ちになりました。
悩みに悩んだ末、「ブラボーな抱擁」を最優秀賞といたします。
『祖父・祖母』というテーマを選んだ作品が今回は多かったのですが、その中で祖父の側から孫を書くという視点に惹かれたからです。作者のお人柄でしょうか。全編を通じ温かなユーモアが流れ、最後の抱擁部分には泣かされました。孫への不満を前半できっちり書いたからこそ生きてくるシーンです。
「絵本のおじさん」も「深みある『ごめんなさい』」も人と人が繋がる優しさが溢れ、絵本や教育の力が伝わってきます。
「二十四の瞳」に因むこの賞に相応しい作品だと思います。
佳作の「ひそやかに生きること」も今という時代を生きる若者の想いが伝わってきて、心打たれました。