結果発表

  • 文芸
  • メッセージ

『母の日参り』手紙コンクール

応募総数
1,857点
主催
『母の日参り』パートナーシップ事務局
審査員
中村獅童
  • 金賞

    商品券10万円分

    白い目薬 余白(静岡県)

    母さん、冥界(そこ)からオレが見えますか。
    オレ、来年は遂に九十の大台。母さんの享年を遥かにこえます。
    丈夫に育ててくれてありがとう。
    母さんとの想い出はキリがないけど中でもとっておきはこのエピソード。

    小四の頃、歳の瀬の路地裏でメンコ遊びに興じていると
    一陣の突風に襲われて目にゴミが。
    「痛ッ!」 慌てて家の中へ駆けこむと
    母さんが「やッ大変」と赤子の弟を脇へ置き、左の二の腕でオレを支え、
    右手で乳房を掴むと オレの目めがけて勢いよく絞りだす
    集中放乳?作戦。
    その一条の白い目薬はすっかりゴミを洗い流してくれたっけ。
    八十年後の今も母さんの肌の温もりと共に鮮やかに覚えています。

    母さん、オレが母さんの許へいける日は遠くない。
    五十年ぶりに会える母さんはどんな迎え方をしてくれるだろう。
    母さんはお茶目だからこんなこと言いそう。
    「アレ、えらいお年寄り。もしかしてわたしの父ちゃん?」
    そしたらこう返してやろう。「三男静雄只今母上の御許へ参上」。

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