-
土門拳文化賞
50万円「糸遊 ~ GOSSAMER」(モノクロ30枚組) 上瀧 由布子(千葉県)
-
作品講評
-
「写真は光と影が織りなす芸術」と言われる。上瀧さんの写真は光が当たって被写体に影を作ったものを写した写真とは違うように思う。
陰の部分を大事にしている。陰の中にある、わずかな光が作り出すドラマを発見し、スポットライトが当たった被写体の陰そのものを主役に据えて写し出している。陰が演出した写真群といっていい。
日常生活の普遍的な世界を捉えて、「生きている」ということはどういうことなのかを写真で見事に表現している。
上瀧さん自身、決して孤独ではない。「頼りないほど柔らかい蜘蛛の糸が風に揺れているように不安定なだけなのだ」と言う。そのような心理状態を心象風景として写真表現したのである。
すべての写真は一分の隙もなく、余分なものも写っていない。確固たる自分自身の写真美学が一枚一枚の写真から伝わってくる。
(藤森武氏より)
-
新着公募情報
はお気に入り登録された件数です。
〆切ジャンルタイトル