公募 最終選考サバイバル

最終選考サバイバル
どうしても文学賞受賞したいあなたに、
最終選考で評価されるポイントと、
減点されるポイントを紹介する。
イラスト/千葉さやか
エンタメ系文学賞の過去3年分の選評から、受賞作が評価されたポイントをランキングにした。どんな点が重視されているのか、見てみよう。
  リーダビリティ
美文・名文よりもわかりやすい文章が評価される。技術はプロになってから磨けばよいという意見もあるが、読みやすい文章を書く技術は必須と思ってよいだろう。
  個性
文学賞ではまだ世に出ていない、誰も読んだことのない作品が求められるので、個性がなければ受賞は難しい。選考委員に「この人でなければ書けない」と思わせる作品を書こう。
  作者の情熱
選考委員を務めるプロの小説家は、作品を通じて作者の執筆姿勢までも読み取る。小説で挑戦的な試みを行おうとする作者の、熱意や心意気を買いたいと述べる選考委員は多い。

■参考にしたエンタメ系文学賞
小説すばる新人賞/松本清張賞/小説現代長編新人賞/小説野性時代新人賞 横溝正史ミステリ&ホラー大賞/江戸川乱歩賞/日本ミステリー文学大賞新人賞
各文学賞の選評から、よくある指摘を抜粋した。文学賞に応募しなくても、作品の質を上げるのに役立つはずなので、執筆の際は参考にしてほしい。
「作者が主人公を甘やかしているような気にさせられました」
東山彰良(第26回松本清張賞)※1
主人公にとって都合よく事が運ぶ、いわゆる「ご都合主義」になってしまう作品は多い。作者の思惑を感じると、読者は完全に白けてしまう。同選考委員の京極夏彦氏は「頻出する障害を易々と克服していく快感は、一方で完遂時の達成感を軽減させてしまうだろう」(※1) と述べた。クライマックスでしっかり盛り上げるためには、うまく物事が進まない展開も必要だ。
「タイトルを付けられないということは、自分の作品が客観的に読めていないということでもある」
恩田陸(第38回横溝正史ミステリ大賞)※2
タイトルは作品の顔といわれるほど大事なものだが、受賞作であっても再考を求める選評は多い。裏を返せば、よいタイトルを付けるだけでも他の作品と差がつくということだ。作品のテーマからキーワードを導き出し、最も作品の魅力を引き出すタイトルを付けよう。
「かなり思い切った工夫をしなければ小説として個性を発揮できるものにならない」
森見登美彦(第9回野性時代フロンティア文学賞)※3
有名な事件や、いま注目が集まっている競技を扱うときは注意が必要だ。多くの人が関心を寄せているため、誰でも思いつく安直な題材と思われやすい。また、作品自体もありふれたものになりがちだ。恩田陸氏は「作者なりの考えをきちんと語り切ってほしい」(※2 )と述べている。 事件の解釈や競技への視点に「個性」をうまく表現できれば加点になるだろう。

※1『オール讀物』2019年6月号(文藝春秋刊)より引用
※2『小説 野性時代』2018年7月号(KADOKAWA 刊)より引用
※3『小説 野性時代』2018年5月号(KADOKAWA 刊)より引用
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一定のレベルには達しているが、いくつか課題があるようだ。公募スクールの添削講座で確実にブラッシュアップしよう。
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