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抽象は難しい

カテゴリ:公募ガイド社


仕事や立場上、社員がメディアで書く文章や、

学生さんの編集インターンでの記事やエントリーシートを読む機会が多いです。

 

その際にいつも思うのが、

「具体」で書かれていない文章は、まったく入ってこないということ。

例えば、野球部での経験を伝えたいとき、

 

① 入部したての頃は、まったく勝てなかった。試合が終わるたび、監督から何度もダメ出しをくらっていました。

 

② 1年目はまったく勝てませんでした。エラー連発で、バットは球にかすりすらしない。コールド負け続きで、33対2という試合もありました。

 

ではどちらが伝わるでしょうか?

 

②は入部からの1年間が具体的に書かれていて、チームのへっぽこぶりが目に浮かびます。

2年目以降のことは書かれていませんが、それでも勝てるようになった流れを想像させる文章です。

これに対して、①はどうでしょうか。

様子がまったくイメージできないし、そもそも野球かどうかすらわかりません。

 

つまり、人に文章で何かを伝えようとするとき、

「抽象ではなく、具体で書く」というのは基本なのですが、これができない人が圧倒的に多い。

 

理由としては、学校教育やビジネススキルの問題があると思います。

 

試験で文章を読まされて筆者のいいたいことを要約(=抽象化)することは求められても、

どうやったら自分の言いたいことをうまく伝えられるかの訓練はしません。

社会に出れば、上司から「主旨を簡潔にまとめるように」と詰め寄られることはあっても、

「具体こそ説得力を持つ」ということはなかなか教えてもらえないと思います。

 

なぜそう思うかといえば、私も数年前までそうだったので。

こういう仕事をして、この立場になって、ようやくそのことに気づいた感じです。

 

だから、公募ガイド社の価値基準には、

「抽象ではなく、具体で」という項目が入っています。

メディアは人に情報や思いを伝えることが使命なので、

社員一人一人にいつも意識して欲しいと考えています。

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