サークル初参加者のためのコミケ応援企画

この記事は、2017年12月6日に公開された記事を再編集しています。

「コミケにサークルとして参加したい!」「参加が決まったけど、何を準備したらいいかわからない!」そんなサークル初心者さんのために、申し込みから当日の準備、防犯まで、その手順や気をつけたいことをご紹介します。

■協力:ベル・エポック 稜
目次

1. 申込から当日までの流れ

① どうやって申し込む? 印刷所はどうする?

  • 基本のき

    開催場所 有明・東京国際展示場
    開催日
    夏コミ
    8月13日前後の3日間
    冬コミ
    年末の3日間
  • 申し込み

    「サークル参加申込書セット」というものを購入し、申し込みます。これは、参加したい回の1つ前のコミケ会場で購入するか、通販を行っている「サークルドットエムエス」で入手します。通販の場合、開催の2か月前ぐらいから入手可能です。申し込み方法によって受付期間などが異なるので、申込書セットの熟読は必須です。

    サークル参加申込書セット ¥1,000(通販の場合は手数料がかかります)
    ・コミケットマニュアル
    ・参加のご案内
    ・見本誌票 ほか
    申し込み受付期間
    夏コミ
    2月上旬の1週間ほど
    冬コミ
    8月上旬から半ばまでの1週間ほど
    参加費 1スペース¥8,000

    コミケにはジャンルコードというものがあります。ざっくり言うと、作品の内容、(二次創作の場合)元ネタでの分類です。オリジナル創作でも傾向によって細かく別れていて、誤って申し込むと不備として落選することも。
    二次創作の場合、まだ放映されていないオリジナルアニメや発売前のゲームでは申し込めません。申し込んだとしても不備落選になるようです。また、人気ジャンルは申し込みも多いので、抽選となります。

  • 当落通知が届く

    夏コミは6月頃、冬コミは10月末~11月頭頃にメールで当落速報が送られてきます。そして、後日郵送で「参加登録カード」や、当日のスケジュール・注意事項などが書かれた「コミケットアピール」等が届きます。落選した場合は、参加費が小為替で返金されます。

  • 執筆&印刷所の予約

    一度も同人誌を作ったことがない場合、まず印刷所選びで悩みます。「同人誌 印刷所」等で検索するとかなりヒットします。

    印刷所を見つけても、表紙や本文用紙をどんな紙にしたいか、どういう加工(PP加工や箔押しなど)がいいのか悩むことになります。特に紙は実物を見てみないとピンとこないことが多いです。印刷所によっては、請求すれば表紙や本文用紙のサンプルを送ってくれることもあります。

    また、PP加工、箔押し、エンボス加工などの特殊加工を施したい場合、追加料金がかかるだけでなく、締切が早まることが多いです。同じような仕上がりでも印刷所によって締切や料金はばらばらです。安くて早いコースはコミケ当落判明前から予約が殺到し、受付終了になることもあります。

    さらに、印刷所によっては大型イベント専用のスケジュール、コミケにあわせたオプションサービスなどもあります。早めに入稿すれば『早期割引』、ギリギリだと『割増料金』が取られることもあります。

    作品

    初心者さんは、当落がわかる前から印刷所のサイトを複数見比べて、

    • 同人誌の装丁をどうするか
    • 締切はいつごろになるか
    • 見積もりはいくらになるか
    などの構想を練っておくといいかもしれません。場合によっては、当落判明前から原稿に取りかかることになるかも。

    また、印刷された同人誌をコミケに当日搬入(直接搬入)してくれる印刷所も多いですが、自宅への発送しかしていない印刷所もあるので必ず確認しましょう。

② 値付けや部数ってどうするの?

  • 同人誌の値付けについて

    値付けの心得

    印刷所選びと同じくらい、初心者さんが悩むのが同人誌の値付けではないでしょうか? 同人誌はサークル側が自由に値段をつけることができます。極端なことを言えば、10Pの同人誌に1000円の値付けをしてもかまわないのです。

    ただ、なんのためにコミケに参加しているのか?ということは忘れないようにしましょう。自分の作ったものを見てほしいから参加したはず。どれほどの力作だったとしても、極端に高くては試し読みさえためらわれてしまいます。

    会場であなたの本に目を留めるのは、あなたのことや作品を知らない人がほとんど。元ネタの作品やキャラクターを知らないのに、絵柄やあらすじに惹かれる人もいます。どんな値段だったら試し買いしてくれやすいか考えてみましょう。あくまで目安になってしまいますが参考になると幸いです。

    よくあるパターン

    • ・B5(またはA5)サイズ
    • ・表紙はフルカラー、本文はモノクロ
    • ・加工は表紙PP加工のみ

    上記はよく見かける仕様ですが、このような場合、

    (ページ数※×10円)+100~200円(場合により) ※表紙4P分を含む
    というような計算式を使うことが多いようです。
    24Pなら200~500円程度。100Pを超えると×0.9など多少値下げする方もいるようです。

    本文フルカラー

    イラスト集など、本文もフルカラー印刷にすることがあります。この場合、

    (ページ数×20~30円)+100~200円(場合により)
    で計算するようです。24Pなら500~800円程度。

    文庫本(A6)・新書サイズ

    印刷所によっては文庫本や新書のサイズも取り扱っていることがあります。B5やA5よりも原価が高くなることが多いようです。

    (ページ数×5円)+100~500円(場合により)
    200Pなら1000~1500円程度。「よくあるパターン」でもふれたように、ページ数が多くなればなるほど気持ち値下げする方もいます。

    コピー本

    表紙にラミネート加工をしたり、無線綴じ(糊綴じ)や和綴じをしたりするなど、パッと見ただけではわからないほど凝って作る方もいますが、自宅のプリンターやコンビニのコピー機で手軽に作ることもできます。単純なコピー本の場合、

    (ページ数×10円)-100~200円(場合により)
    で計算することが多いです。24Pなら100~200円程度。無料配布になっていることもありますが、ある程度以上のページ数があるなら有料にしてくれないと逆に手に取りづらいという声も。

    他のサークルの値段も参考に

    ジャンルのメイン層・熟成度・サークル数・傾向によって相場は変わります。実際に足を運んだり、pixivやTwitterで検索したりして、他の参加サークルの値付けも見てみましょう。

    ただし、大手(人気)サークルはあまり参考にしない方がいいです。

    • ・行列をさばくため、500円や1000円など会計しやすい値付けが多い
    • ・豪華なノベルティ付きでの値段であることが多い
    • ・頒布部数が多いので一冊当たりの単価が安い

    上記のように、初めてコミケに参加する方の多くとは事情が違います。できれば島に配置されているサークルの傾向を見るようにしましょう。

    相場は分かったけれど…

    相場は分かったけど、その値付けにすると原価割れしてしまう。実はこの悩みは普遍的なもののようです。というのも、コミケでは黒字サークルの方が少数だからです。

    ちょっと古いですが、2010年8月のデータを見てみましょう。

    コミックマーケット35周年調査 調査報告

    10Pにサークル年間収支の調査結果が掲載されています。
    黒字サークルは約33%ですが、半数は5万円未満。乱暴に言うと、全体の約80%程度が赤字かトントンです。

    今後も活動していくことを考えると大赤字は避けたいものです。かといって、あまりに相場から外れた値付けでは手に取ってもらいにくくなります。悩ましいですが、納得いくまで考えてみてください。

    ちなみに、原価を下げる方法はいくつかあります。妥協・努力できる範囲で模索してみてください。

    • ・印刷所を変える
    • ・オフセット印刷ではなく、オンデマンド印刷を利用する
    • ・早割などの割引を利用する
    • ・部数を減らす
    • ・特殊装丁をやめる
  • 部数はどれくらい刷る?

    小説/漫画、オリジナル/二次創作、男女の恋愛/男男の恋愛/女女の恋愛/恋愛要素なし、知名度、人気度でかなり変わってきます。Twitterやpixsivをやっているなら「いいね」やRTの数が参考になると思います。

    初心者は20~30冊売れれば御の字です。売り切れてしまったらもう一度印刷(再版)するという手もあるので、最初は少部数がおすすめです。印刷代はそんなに変わらないからとたくさん作ってしまうと、売れ残りの在庫の山が悲しくなります……。

③ 当日は何が必要?

  • 当日の朝はとても早い!

    当日、頒布物は手持ちで搬入してもOK。宅配便の場合は主催者指定の業者を必ず使いましょう。宅配の受付期間や送り先も指定されています。

    コミケは朝の入場時間がとても早い! 遅刻すると一般入場と同じになるので午前中に間に合わないこともあります。会場へ向かうりんかい線やゆりかもめはもちろん、りんかい線やゆりかもめに乗り換えるための電車も混みます。混みすぎて乗れないこともあります。カートなどの大荷物があるならなおさら時間がかかります。余裕を持って会場に着くようにしてください。

    会場では、スタッフの方が巡回してきますので、参加登録カードと見本誌票を貼った新刊を渡します。これが済めば開場後に頒布可能です。

    参加登録カードは署名と捺印必須です。事前に準備しておいてください。

    参加登録票

    見本誌票はそのコミケではじめて頒布する本に貼るシールです。初参加の場合はスペースで頒布する本全てが対象です。印刷所で印刷した本かコピー本かは関係ありません。全てです。見本誌票も事前に準備しておいた方がいいです。

    万一遅刻してしまって開場後に入場した場合でも、手続きを踏まないと頒布できません。

    基本的なことですが、自分のスペースに着いたら、両隣のサークルの方が知らない人でもあいさつしてください。「おはようございます。今日はよろしくお願いします」程度で充分です。帰るときもあいさつしてください。「おつかれさまでした。お先に失礼します」程度で充分です。

    当日の必需品!

    事前搬入の段ボールに絶対入れないこと! すぐ出せるようにしておくこと!

    • ・サークル参加証
    • ・コミケットアピール(事前に必読)
    • ・見本誌票(申込書の最後についている。申込書ごと持って行ったほうが確実)
    • ・参加登録カード
    • ・はさみ、カッター(段ボールを開けるのに必要)
    • ・釣り銭(100円玉で1500~2000円分くらいあれば余裕)
    • ・筆記用具(ペン、付箋など)

    事前搬入しても大丈夫なもの

    • ・セロテープ、ガムテープ
    • ・ビニール袋(ゴミ袋として)
    • ・軍手
    • ・売上チェック表(どの本が何冊売れたか)
    • ・ポスター(サークル名・スペース番号を入れておくと目印になる)
    • ・値札(同人誌に貼る)
    • ・お品書き
    • ・電卓
  • 持っていると便利なもの

    • ・クリアホルダー 
      中にサークル名やお品書きを入れてスペースに立てておくと見やすい。紙だけだと汚れたり折れたりするので。
    • ・イーゼル、お皿立
      100円均一のものでOK。上記のお品書きなどを立てるのに使う。
    • ・折り畳み式のキッチン収納棚
      100円均一のものでOK。同人誌が何種類もある場合は、重ねて陳列できる。
  • ④ 防犯

    コミケには3日間で最大59万人が参加しています。これだけの参加者がいると、残念ながら悪い人もいます。ちょっとした心がけや注意で残念な思いをせずに済むので、やってみてください。

    宅配の伝票はすぐはがす

    宅配搬入した荷物をスペースに運んだら、伝票はすぐにはがして、千切って捨ててください。 過去に、伝票に書いてある住所をこっそり控えられて、自宅に突撃された人がいるそうです。 伝票以外にも、住所や身分が特定できるものは目につかない場所に置くかバラバラにして捨てましょう。

    財布や釣り銭は目の届く場所に

    近年、盗難が多発しています。サークル参加者を装って島(複数の机を組み合わせたブロック)の内側に入ってくることもあります。 島内だからと油断せず、財布を入れたカバンは口をしっかり閉めて目の届く場所におきましょう。 釣り銭も外側から手を出せる場所に置かないようにしましょう。

    偽コインに注意

    100円硬貨や500円硬貨にウォン硬貨を紛れこませる手口があります。 ウォン硬貨は日本の硬貨にそっくりなので、手のひらで広げてしっかり確認しましょう。ちなみに100ウォンは約10円です。

    釣り銭詐欺に注意

    実際は1000円札を出したのに、5000円札を出したと言ってだまし取る手口があります。 もらった紙幣はすぐにしまわず、会計が終わるまで目の届く場所に置きましょう。 5000円札+1000円札×4枚でおつりを返したのに、1000円札×5枚しかもらっていないと言ってだまし取る手口もあります。しっかり確認しましょう。

    万引きに注意

    一冊分の代金しか出していないのに二冊取っていく、買った本を買っていない本の上に重ねて一冊持っていくなどの手口があります。 頒布する本は購入した人に取ってもらうのではなく、自分で渡すと確実です。 また、小銭を落として注意を引いてその隙に持っていく手口もあります。できれば売り子さんをお願いしましょう。

2. コミケあるある

このコミケ特集に協力してくださったベル・エポックの稜さんが、過去にやらかしてしまった「コミケあるある」をご紹介します。皆さんも気をつけましょう!

  • 夜更かししてしまった…

    前日、夜遅くまでコピー本の原稿を書いていたり、ギリギリで準備していたりで、気がつけば2時。5時に起きなくちゃいけないのに……。コミケではないですが、一度大寝坊してギリギリに会場入りしたことがあります。売り子さんも頼んでいたのに大失態です(知り合いのサークルに頼んで入場チケットを譲ってもらって、売り子さんは先に入ってもらいました)。
    また、寝不足が原因で体調を崩すこともあります。どきどきそわそわしますが、しっかり準備して寝ておきましょう。

    釣り銭を用意していなかった!

    イベント前夜になって釣り銭を準備していなかったことに気づいて焦りました。Twitterでフォロワーさんに「自販機で崩せば?」と言われて、夜中に自販機へ走って、慌てて崩しました。事前に銀行などで両替しておきましょう。

    値札を用意していなかった!

    当日の新刊に貼る値札を作ることをすっかり忘れていました。ノートを千切って簡易値札を作りましたが、やっつけ感がすごかったです。事前準備と確認が大事です。

    値札をつけた本を渡してしまった!

    値札をつけた本を試し読み用にして、平積みの一番上に置いています。下に積んである本を頒布するのですが、ぼんやりしていて値札をつけた本を頒布してしまったことがあります。会場内で相手を見つけるのは難しいので、これも簡易値札を作りました。しっかり見ておきましょう。

    記録した頒布数と売上が合わない!

    記録ミスならいいのですが、どう数えても合わない時は多くても少なくても困ります。暗算があてにならないので、電卓があると便利です。電池残量が気にならないなら、スマホの会計アプリを使うのもあり。

    次回の申込書を買い忘れてしまった!

    数回やってしまいました。翌日参加する知人に頼んで買ってきてもらったり、下北沢のコミケットサービス(2017年12月末日閉店)で買ってきたりしてなんとか入手しました。申込書がなければ申込みできないので、絶対に忘れないようにしましょう。

    トイレがかなり混む!

    あまり売れていないサークルなのに私が売り子さんを頼む理由の大部分はこれです。「トイレは最大手」と言われるほど混みます。5分以上はかかります。ぎりぎりまで我慢しないようにしましょう。一人参加でトイレに行きたいときは、大きな布で本を覆ってからにしましょう。