第2回ゆいごん大賞「ゆいごん川柳」

第2回ゆいごん大賞「ゆいごん川柳」結果発表

結果発表

大賞

(あーさままさん・59歳・無職)

こう書けと妻に下書き渡される

(講評:全日本川柳協会 以下講評同じ)
遺言の下書きを妻から渡される夫には、もう夫の威厳も父の威厳も何もありません。丸裸で無防備なお父さんにくすっと笑ってしまう一句ですが、そこに見えてくるものは・・・。遺言の下書きを渡す妻の夫への絶大なる信頼と、そうかそうかとその通りに書く夫の妻への真っ直ぐな愛情です。このゆるぎない信頼と愛こそが本当の遺言ではないでしょうか。

入賞

(みかどさん・66歳・無職)

財産はお前たちだと遺言に

(講評)
「遺言を残せるほどの金は無し」というのがほとんどの人の本音ですし、何も残してやることは出来なかったけれど自分はお前たちが居てくれたおかげで幸せだったと思える親の幸せもあります。そんな複雑な親の心情をこの句は言い尽くしています。これ以上の遺言はないと思いました。

入賞

(よし得さん・75歳・無職)

遺言に母のレシピも書いてあり

(講評)
「ものより思い出」という言葉がありますが、これはその遺言版です。自分が貰った遺産がレシピだけだとしたら。良いではありませんか。モノは使ってしまったら無くなってしまいますが、レシピ(母の味)はいつまでも残ります。母のレシピを書いた遺言が欲しいと思いました。

入賞

(浮遊人さん・68歳・無職)

遺言に 「仲良くあれ」と 書いた父

(講評)
みんながこう言い残したい「仲良くあれ」だけにリアリティーがあります。そうありたいと思いつつ思わず(難しいよなぁ)と思ってしまう感覚。深いところで心をえぐられます。これが川柳の「穿ち(うがち)」です。

佳作

(秋菜さん・70歳・無職)

遺言と 書いたつもりが 遺書と書き

(講評)
「遺言」は死ぬまでまだ時間的に余裕があるときに書くもので、「遺書」は時間的余裕がないときに書くものというニュアンスが込められています。まだ自分は死なないぞと余裕たっぷりのつもりが、実はそうではなかったと。ブラックユーモアの句ですね。微妙な言葉のニュアンスがうまく捉えられています。

佳作

(inahoさん・47歳・無職)

遺言で やっとあなたを 理解した

(講評)
あなたを一番よく理解しているのは私だと思っていたのに、遺言でまだ理解していないことがあったことが分かったのです。でも「やっとあなたを理解した」とき、あなたはもう居ません。何かが叶ったとき、実はもう遅かったとか、それはもう空しいことだということは人生に多々あります。

佳作

(笑司さん・71歳・無職)

それとなく遺言のこと親子酒

(講評)
この句のポイントはそれとなく語られた遺言の内容です。読者はそれが気になります。酒を酌みながらそれとなく語られる遺言はいい話だったのか、悪い話だったのか、当事者になったように句に引き込まれます。同時に親子でしんみりと酒を酌み交わしたあとの微妙に切ない気持ちになります。

佳作

(島根のぽん太さん・49歳・その他)

ゆいごんを 聞きたかったよ お父さん

(講評)
寡黙な父は最後まで何も遺言さえ語りませんでした。もっと、父と話しておけばよかったという作者の思いが伝わってきます。ゆいごんを聞きたかったというのはメタファーで、本当に言いたかったのは「お父さんもっと長生きして欲しかった。そしてもっと一緒に話をしたかった」という思いです。

佳作

(匿名希望さん・59歳・無職)

ゆいごんで なりたい人に なる私

(講評)
誰にでも「なりたい自分」がありますが、なかなかなれませんよね。でもゆいごんがそのために背中を押してくれたのです。具体的にどのように背中を押してくれたのかわかりませんが、句には背中を押してくれたことの感謝の気持ちがあるようです。悲しみを乗り越えて前へすすもうとする作者の決意も垣間見え、読む人にちょっぴり勇気も与えてくれます。

佳作

(まいまいさん・48歳・会社員)

割り切れぬ 円周率と 遺産分け

(講評)
金銭的なものが絡むだけに遺産分けはすっきりと割り切れない場合もあるようですが、本当は割り切れます。2人、3人、4人・・・10人でも100人でも割り切れますよ。割り切れないのは何故でしょう?円周率とは何でしょう?わたしたちの心のように思えます。

総評

(日本財団からの総評)
今年で2回目となる「ゆいごん川柳」に、皆様方から14,597作品(Web応募11,468作品・郵送応募3,129作品)のご応募をいただきました。誠にありがとうございました。
その中から日本財団と全日本川柳協会の選考により、大賞1作品、入賞3作品、佳作6作品の計10作品が決定しました。
前回と比べて、終活よりも遺言を書くことにまつわる作品が多く寄せられました。全体的には家族や親族への気遣い、書くときの面倒やわずらわしさをシニカルな笑いに寄せた作品が多かったようです。また、遺言書をしたためることは難題ですが、書くことで安心感や満足感を得られるなどの前向きな姿勢を作品にこめたものもありました。いずれも力作ぞろいで、選考に時間がかかり発表が遅れましたことをお詫び申し上げます。

お問い合わせ

日本財団遺贈寄付サポートセンター「ゆいごん大賞」事務局
TEL:03-5405-2062
MAIL:yuigon2017@koubo.co.jp